Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいじんべっそう

海神別荘

泉 鏡花

Leggi 海神別荘 (かいじんべっそう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.689 caratteri · 46 schermate

Aozora Bunko

)博士――まだ他に例があるのですか。

博士 (朗読す)……世の哀とぞなりにける。今日は神田のくずれ橋に恥をさらし、または四谷、芝、浅草、日本橋に人こぞりて、見るに惜まぬはなし。これを思うに、かりにも人は悪き事をせまじきものなり。天これを許したまわぬなり。……

公子 (眉を顰む。――侍女等斉しく不審の面色す。)

博士 ……この女思込みし事なれば、身の窶るる事なくて、毎日ありし昔のごとく、黒髪を結わせて美わしき風情。……

公子 (色解く。侍女等、眉をひらく。)

博士 中略をいたします。……聞く人一しおいたわしく、その姿を見おくりけるに、限ある命のうち、入相の鐘つくころ、品かわりたる道芝の辺にして、その身は憂き煙となりぬ。人皆いずれの道にも煙はのがれず、殊に不便はこれにぞありける。――これで、鈴ヶ森で火刑に処せられまするまでを、確か江戸中棄札に槍を立てて引廻した筈と心得まするので。

公子 分りました。それはお七という娘でしょう。私は大すきな女なんです。御覧なさい。どこに当人が歎き悲みなぞしたのですか。人に惜まれ可哀がられて、女それ自身は大満足で、自若として火に焼かれた。