Classici giapponesi con furigana
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かいじんべっそう
海神別荘
泉 鏡花
Leggi 海神別荘 (かいじんべっそう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.689 caratteri · 46 schermate
得意想うべしではないのですか。なぜそれが刑罰なんだね。もし刑罰とすれば、恵の杖、情の鞭だ。実際その罪を罰しようとするには、そのまま無事に置いて、平凡に愚図愚図に生存らえさせて、皺だらけの婆にして、その娘を終らせるが可いと、私は思う。……分けて、現在、殊にそのお七のごときは、姉上が海へお引取りになった。刑場の鈴ヶ森は自然海に近かった。姉上は御覧になった。鉄の鎖は手足を繋いだ、燃草は夕霜を置残してその肩を包んだ。煙は雪の振袖をふすべた。炎は緋鹿子を燃え抜いた。緋の牡丹が崩れるより、虹が燃えるより美しかった。恋の火の白熱は、凝って白玉となる、その膚を、氷った雛芥子の花に包んだ。姉の手の甘露が沖を曇らして注いだのだった。そのまま海の底へお引取りになって、現に、姉上の宮殿に、今も十七で、紅の珊瑚の中に、結綿の花を咲かせているのではないか。
男は死ななかった。存命えて坊主になって老い朽ちた。娘のために、姉上はそれさえお引取りになった。けれども、その魂は、途中で牡の海月になった。――時々未練に娘を覗いて、赤潮に追払われて、醜く、ふらふらと生白く漾うて失する。あわれなものだ。