Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

わたりどり

渡り鳥

太宰 治

Leggi 渡り鳥 (わたりどり) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6707 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

そうでなければ、半分以上残ってるなんて、確言できる筈はない。やった、やったんだ。よくあるやつさ。トイレットの中か、または横丁の電柱のかげで酔っていながら、残金を一枚二枚と数えて、溜息ついて、思い煩うな空飛ぶ鳥を見よ、なんて力無く呟いてさ、いじらしいものだよ。実は、僕にも覚えがあらあ。

「今夜これから、残金全部使ってしまうつもりなんですがね、つき合ってくれませんか。どこか、あなたのなじみの飲み屋でもこの辺にあったら、案内して下さい。」

失敬、見直した。しかし、金は本当に持っているんだろうな。割勘などは、愉快でない。念のため、試問しよう。

「あるにはあるんですけど、そこは、ちょっと高いんですよ。案内して、あなたに後で、うらまれちゃあ、……」

「かまいません。三千円あったら、大丈夫でしょう。これは、あなたにお渡し致しますから、今夜、二人で使ってしまいましょう。」

「いや、それはいけません。よそのひとのお金をあずかると、どうも、責任を感じて僕はうまく酔えません。」

面のぶざいくなのに似合わず、なかなか話せる男じゃないか。やはり小説を書くほどの男には、どこか、あっさりしたところがある。