Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わたりどり

渡り鳥

太宰 治

Leggi 渡り鳥 (わたりどり) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6707 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

イナセだよ。モオツアルトを聞けば、モオツアルト。文学青年と逢えば、文学青年。自然にそうなって来るんだから不思議だ。

「それじゃあ、今夜は、大いに文学でも談じてみますか。僕は、あなたの作品には前から好意を感じていたのですがね、どうも、編輯長がねえ、保守的でねえ。」

竹田屋に連れて行こう。あそこに、僕の勘定がまだ千円くらいあった筈だから、ついでに払ってもらいましょう。

「ここですか?」

「ええ、きたないところですがね、僕はこんなところで飲むのが好きなんです。あなたは、どうです。」

「わるくないですね。」

「はあ、趣味が合いました。飲みましょう。乾杯。趣味というものは、むずかしいものでしてね。千の嫌悪から一つの趣味が生れるんです。趣味の無いやつには、だから嫌悪も無いんです。飲みましょう、乾杯。大いに今夜は談じ合おうじゃありませんか。あなたは案外、無口なお方のようですね。沈黙はいけません。あれには負けます。あれは僕らの最大の敵ですね。こんなおしゃべりをするという事は、これは非常な自己犠牲で、ほとんど人間の、最高の奉仕の一つでしょう。しかも少しも報酬をあてにしていない奉仕でしょう。