Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Leggi 渡良瀬川 (わたらせがわ) di 大鹿 卓 (おおしかたく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 280.528 caratteri · 557 schermate

Aozora Bunko

うしろの者はわからずにただひしめき合っています。すると、巡査たちも突貫して来て、サーベルの鐺をむけて私たちの方へ突っかかって来ます。さア、それから撲る、突く、蹴る、踏む、猛り狂ったように暴れまわるのです。こちらは最初から抵抗する意志はないのですし、無手ですから、ただ逃げるより仕方ない。持っている乾飯もなにも放りだして、田のなか畑のなかへ蜘蛛の子を散らすように追い散らされました。それをまた追っかけて来てなぐる……。田畑一面に黒煙りがあがって、まるでもう戦争みたい……」

「ひどく痛みはしないか」

正造が痛ましげに眉間に皺をよせて、繃帯へ目をうつすと、四十男の蒼黒い顔がにわかにゆがんで、

「サーベルでなぐる。これが、人民を保護するということでしょうか。私たちは、生命保護の請願書を懐にしてでてきたのです。それを……」

声が出なくなって、山崎は繃帯の頭を項垂れた。すると、顔を蔽った手の下から嗚咽が洩れだした。正造は袴の上で両手をにぎりしめながら、言外の訴えに聴き入るように黙々としていたが、瞼をとじたその頬にも、つるりと光るものが伝わった。

「怪我人は、何人ぐらいでただろう」