Classici giapponesi con furigana
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げんおじ
源おじ
国木田 独歩
Leggi 源おじ (げんおじ) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.455 caratteri · 23 schermate
中
されどその歌の意解しがたし。否、彼はつぶやかず、繰言ならべず、ただおりおり太き嘆息するのみ。あわれとおぼさずや――」
宿の主人が教師に語りしはこれに過ぎざりし。教師は都に帰りて後も源叔父がこと忘れず。燈下に坐りて雨の音きく夜など、思いはしばしばこのあわれなる翁が上に飛びぬ。思えらく、源叔父今はいかん、波の音ききつつ古き春の夜のこと思いて独り炉のかたわらに丸き目ふさぎてやあらん、あるいは幸助がことのみ思いつづけてやおらんと。されど教師は知らざりき、かく想いやりし幾年の後の冬の夜は翁の墓に霙降りつつありしを。
年若き教師の、詩読む心にて記憶のページ翻えしつつある間に、翁が上にはさらに悲しきこと起こりつ、すでにこの世の人ならざりしなり。かくて教師の詩はその最後の一節を欠きたり。
中
佐伯の子弟が語学の師を桂港の波止場に送りし年も暮れて翌年一月の末、ある日源叔父は所用ありて昼前より城下に出でたり。
大空曇りて雪降らんとす。雪はこの地に稀なり、その日の寒さ推して知らる。山村水廓の民、河より海より小舟泛かべて城下に用を便ずるが佐伯近在の習慣なれば番匠川の河岸にはいつも渡船集いて乗るもの下りるもの、浦人は歌い山人はののしり、いと賑々しけれど今日は淋びしく、河面には漣たち灰色の雲の影落ちたり。