Classici giapponesi con furigana
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
Leggi 潤一郎ラビリンスV――少年の王国 (こぞうのゆめ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.989 caratteri · 144 schermate
それを楽しみに待って居るがよい。」
と、瑠璃光の肩へ手をかけて、宥め賺すようにした。
「そなたが行くなら、まろも一緒につれて行ってくれ。」
こう云って、今度は瑠璃光が泣いた。
「恙なく帰って来られゝばよいが、たとい半日の旅にもせよ、そなたの身に若しもの事があったら、いつの世に再び会えるだろう。命を捨てゝも厭わないと云うそなたと、今こゝで別れるような不人情な真似は出来ない。まして上人にそなたの行くえを尋ねられたら、まろは何と云って答えたらよいだろうか。どうせ叱られるくらいなら、そなたと一緒に山を出て見たい。そなたの為めに修行になるなら、まろの為めにも修行になるに極まって居る。」
「いや/\、妄想の闇に鎖されたまろの心と、そなたの胸の中とは、雪と墨ほどに違って居る。浄玻璃のように清いそなたは、わざ/\危険を冒して、修行をするには及ばないのだ。そなたの体に間違いがあったら、それこそ麿は上人へ申し訳がないではないか。面白い所へ出掛けるのなら、そなたを捨てゝ行きはしない。浮世はどんなにいやらしい、物凄い土地なのか、運よく命を完うして帰って来たら、まろの迷いの夢もさめて、きっとそなたに委しい話をして聞かすことが出来るだろう。