Classici giapponesi con furigana
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こぞうのゆめ
潤一郎ラビリンスV――少年の王国
谷崎 潤一郎
Leggi 潤一郎ラビリンスV――少年の王国 (こぞうのゆめ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.989 caratteri · 144 schermate
貝島は癇癪と狼狽の餘り、もう少しで前後の分別もなく斯う怒号するところであった。若しも彼が年の若い、教師としての経験の浅い男だったら、きっとそうしたに違いないほど、彼は神経を苛立たせた。が、そこはさすがに老練を以て聞えて居るだけに、まさか尋常五年生の子供を相手にムキになろうとはしなかった。それよりも彼は、沼倉と云う一少年が持って居る不思議な威力に就いて、内心に深い驚愕の情を禁じ得なかったのである。
「沼倉が悪いことをしたから、先生はそれを罰しようとして居るのに、どうしてそんなことを云うのですか。一体お前たちはみんな考が間違って居るのです」
貝島はさも/\当惑したように斯う云って、仕方なく沼倉を懲罰するのを止めてしまった。
その日は一同へ叱言を云って済ませたようなものゝ、以来貝島の頭には、沼倉の事が一つの研究材料として始終想い出されて居た。小学校の尋常五年生と云えば、十一二歳の頑是ない子供ばかりである。親の意見でも教師の命令でもなか/\云う事を聴かないで暴れ廻る年頃であるのに、それが揃って沼倉を餓鬼大将と仰ぎ、全級の生徒が殆ど彼の手足のように動いて居る。沼倉が来る前に餓鬼大将として威張り散らして居た西村は勿論のこと、優等生の中村だの鈴木だのまでが、懼れて居るのか心服して居るのか、兎に角彼の命令を遵奉して、此の間の