Classici giapponesi con furigana
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ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
Leggi 濹東綺譚 (ぼくとうきだん) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 57.666 caratteri · 114 schermate
急に賑かになったんだな。」
「暫く独りでいたら、大勢だと全くうるさいわね。」急に思出したらしく、「この間はありがとう。」
「好いのがあったか。」
「ええ。明日あたり出来てくる筈よ。伊達締も一本買ったわ。これはもうこんなだもの。後で下へ行って持ってくるわ。」
お雪は下へ降りて茶を運んで来た。姑く窓に腰をかけて何ともつかぬ話をしていたが、主人夫婦は帰りそうな様子もない。その中梯子の降口につけた呼鈴が鳴る。馴染の客が来た知らせである。
家の様子が今までお雪一人の時とは全くちがって、長くは居られぬようになり、お雪の方でもまた主人の手前を気兼しているらしいので、わたくしは言おうと思った事もそのまま、半時間とはたたぬ中戸口を出た。
四五日過ると季節は彼岸に入った。空模様は俄に変って、南風に追われる暗雲の低く空を行き過る時、大粒の雨は礫を打つように降りそそいでは忽ち歇む。夜を徹して小息みもなく降りつづくこともあった。わたくしが庭の葉※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)頭は根もとから倒れた。萩の花は葉と共に振り落され、既に実を結んだ秋海堂の紅い茎は大きな葉を剥がれて、痛ましく色が褪せてしまった。