Classici giapponesi con furigana
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むじんとうにいきるじゅうろくにん
無人島に生きる十六人
須川 邦彦
Leggi 無人島に生きる十六人 (むじんとうにいきるじゅうろくにん) di 須川 邦彦 (すがわくにひこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 100.616 caratteri · 201 schermate
荒い岩山には、ぽかっと、まっ黒な岩窟らしい穴が、あちこちに見える。たくさんの海鳥が、あやしい鳴声をして、みだれ飛んでいる。岩に、つばさを休めている海鳥のすがたも、やさしくは見えない。この島は、ネッカーとよぶ、無人島であった。
それは午前十時ごろであった。つりをはじめると、ふかが大漁である。やつぎばやに、大きなのがつれる。
三メートルもあるふかを、たくみに甲板にひきあげるのは、見ていても痛快だ。しかし、つり針を大きな口からはずすときの、手の用心。甲板にころがしてからは、足の用心。ちょっとのゆだんもできない。するどい歯でがぶりやられたら、手も足も、きれいに食い切られてしまう。魚つりというよりは、大きさといい、猛烈さといい、猛獣狩とでもいう気分である。
帆柱の根もとで、甲板につまれたふかから、せっせと、ひれを切りとっていたのは、北海道国後島生まれの漁夫、国後であった。肩はばのひろい、太い手足、まる顔のわか者である。かれと向かいあって、ひれのしまつをしているのは、帰化人の小笠原であった。青い目で、ひげむしゃの小笠原は、五十五歳の、老練な鯨とりで、この船のなかでは、最年長者。