Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
貞時はなんとなくいった。
「いずれ申し上げる折もござろうが、実は筒井どのとは父も許してくだされた仲であったが、筒井どのの謙遜から身をひかれたわけにて、なにとぞ、おいとまたまわるよう願わしく存じます。」
「さような訳なら何でおとどめ申そう、いや、筒井どのが見えられてから我が一家は蘇生の思いが致しておりました。」
筒井は頭を垂れ、どこに行っても大切にされる自分にどこがそれほどの人格があるのか分らなかった。そして自分が去ればあとに残った人の心をさびしくする、……そういうことにも徳のない自分を感じた。徳のある自分になろうとすれば、生活を投げ出さなければならなかった。
「すぐに筒井どのは行かれるか。」
「いいえ、愉しき十日間ほど御娘子様、弟様にたてまつり、家の中をととのえ、お許しの出る日を待ちとうございます。」
「ああ、よく申された、愉しき十日あまりとはよく申された。」
宮腹の主人は筒井の手をとらんばかりに、その言葉を喜んで受けとり、いますぐ行かれてはこまるともいった。
「貞時さまにまいっても時々はお家のこともおてつだい申し上げたく思います、貞時さま、この儀いまからおねがいいたしておきたく存じます。