Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
彼女は美しく窶れさえしていてその窶れのえもいわれぬところに、持彦自身もやつれを深くして行ったのだ。そして二人のいるあいだに、いかに、時というものが速やかに経ってゆくかに驚くほどであった。日はすぐ暮れる。すこし話したりまた話が途絶えたりしているひまに、時間というものはまるで駈けてはすぎる、一刻や二刻のちがいではない、高い日はあっても、それはすぐ秋のようにすげなく落ちた。かれらは、いつも暮れきった夕方に二人の白い顔をうかべ、驚いて日のくれたことを身におぼえるのである。かれらには、全くおちついて話をするような時間にすらも、見放されたようなものであった。
さめざめとして花桐は或る夕方、持彦にしだれていった。
「あなた様のようにそんなに事繁くお通いでは、もはや、わたくしも勤めようもございませぬ。殿中のおごそかな有難いつとめの手前もありますのに、そしてよそ人の眼づかいのただ中にでも、あなた様は気のふれた方のように少しもあたりをお構いにならずに、日がな夜がなお待ちうけになることだけは、何とかしてお謹しみくださらないでしょうか、もはや他の房の方がたは、わたくしが通りますると指さして、耳打ちをなされ、わたくしは面伏せてとおることには慣れてまいりましたものの、殿方すらも何彼とお噂なされはじめました。