Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
こういう僅かな親しみある機会は、二人を心置きなく顔にゆるみさえ加えた。先刻、かれらがこの野ではじめて対面したときの、するどさは眼のほとりには、もうそのあとを絶っていた。
「きょうのお招きにて姫にもお目にかかり、何ともお礼の申しようもございませぬ。」
「これは我ら両人よりあつくおん礼申し上げます。」
率直な二人はいつの間にか、我ら両人とみずからいうようになった。橘は、いま眼がさめたばかりのような明るい瞳にいたわりといつくしみを加え、二人におおいかかる柔しさのなかにいていった。
「いつも心ない失礼ばかりいたしましておわび申しあげます。きょうくつろいだお顔を拝して橘はどのように嬉しいことか分りませぬ。」
「ご挨拶ありがたくお受けします。いつも夜盗のごとき所業の我らなにとぞ、お許しくださるよう。」
津がそういえば、和泉は顔をあからめていった。
「お心をさわがせてばかりいる罪、きょうこそお詫び申し上げる。」
「何も彼もすぎ去ったことでございます。おわび申さなければならないのは、このわたくしの至らぬことばかりですもの。」
橘は手をのべて二人の杯を充たした。それは絶大なよろこびを二人の顔にのぼらせ、かれらの心はその手に震えをつたえたほどだった。