Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
「きょうこそお二人のいずれかをおきめしなければならぬ。」
橘はもういうことがなかった。
津の人も、和泉の人も、その声と同時に立ち上った。顔は布のように白く荒かった。橘の顔は硬ばり、思わず低い驚きの声を発したほどだった。事、ここに至ってはどういいようもなく、股がこまかくふるえて来て唖のように二人の若者を見守った。
「ご用意は?」
「ようござる。」
矢は番えられた。そして一羽のかいつむりが水に浮き上ったがすぐ沈んで行った。矢は番えたままだった。第二の機会は早くも水鳥の浮き上ったときに二人の眼の前に来ていた。矢は一瞬の内に弓づるを離れたが、白々と水の面にただよう二本の矢羽のほかに、水鳥の姿は見えなかった。若者は懲りずに第三の機会を待ったが、二人とも激怒のために顔は真赤だった。
かいつむりは再び浮き上った。出あしの早い津の国の茅原の放った白矢は、小さい水鳥の背を越え、猟夫の中黒の矢羽は水鳥の消えたあとに、音もなく水の中にさびしく沈んで行った。ついに、かいつむりは再び同じ水には浮かんで来なかった。和泉の国人は詰寄っていった。
「貴所の矢は早まったのだ。何故、懸声の先に射ったか。