Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
とまた繰返し詠み、そうであったか、そうであらざらんにはわが心もかく騒ぐまじきにと、生絹は涙せきとめることができなかった。難波の浦に来てよかった。逢えたではないかと今やっと逢えた嬉しさを感じた。
「わたくしをそこに案内して下され。」
下ノ者の連れてはいった廃家は、むかし住んだ家のように在るもの悉く荒れはてていた。例の竈の裏の薪や藁をつんだあたりにも、戸の裏、古材のかげにも、もう、右馬の頭の姿はなかった。此処ならば今昔の思いに逢い語らうこともできたのに、心も知らずに去って行ったことが悲しく身に応え、生絹はなつかしげに闇のあいだに眼を永くとどめた。闇というものがこんなに美しいものであることを生絹は、はじめて知った。右馬の頭さま、と彼女はしずかに呼びつづけた。しかし答えはなく、その人は遠くに走ってもう姿はなかった。
翌日、四年前と同じように、淀の川尻から舟に乗ったが、ふしぎに生絹にうやうやしく一揖をするものがあった。占うことを自分の好きでやる、例の愁いのある額をしている男であった。彼は生絹のつれた供の者を見て言葉をかけていいやら悪いやら控えているふうであった。