Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
「よくしてくれた。褒めてやる、ゆうべからその心でいたことはほぼ分っていたが、かくも立派にしてくれようとは思わなかった。褒めても褒めつくせないほど褒めてやるぞ。」
その夜、津の茅原の父親と、和泉の猟夫の父とが頭を垂れて、姫の棺の前に坐っていた。かれら三人の父はそれぞれの死を前にしてそして橘があとを趁うた死をいたいたしく、こころには嬉しく何度となく棺に向ってもの語った。官を辞して久しいこの老骨らは、やつれにやつれていた。
「姫のおいのちがどれだけ二人にほしかったことでござろう、そして二人はおいのちを戴いた。基経殿のおん悲しみに何とも申し上げられませぬが、あらためて父としておん礼申しあげる。」
津の人の父は頭を畳にすりよせて礼をした。和泉の人の父もまた同様、手をついて厳かにいった。
「宿縁とは申せ、姫の御立派なお最期に我ら人の父としてこれ以上の喜びとてもございませぬ。」
基経は手で二人を制して先ず頭を上げられいと、遜り下っていった。
「姫がああしてくれなかったらわしは恥ずかしいくらいな思いでござる。娘のいのちの役に立ったことはせめてもの慰めです。」
「姫とならべて葬りを致したい、墓碑もそのようにしてやって下されば、子供の喜びもこれにすぎませぬ。