Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おぎふくうた

犀星王朝小品集

室生 犀星

Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate

Aozora Bunko

」

「お前は女だ、切りぬけて永く生きられる……」

「おなじ事よ、明日のことは誰も判らない。」

山塞は秋を経て冬にはいると、すての顔色は沈みがちに胸は苦しく、殆ど食物に手をつけずに臥している日が多くなった。袴野ノ麿は草根木皮をあつめてこれを煮てすすめたが、験はなかった。物忌みや憑き者のせいかと、袴野は都はずれに出掛け、医術の心得のある媼をさがして歩いた。すて自身も何かのせいで憑き物でもあるような日頃が鬱陶しく、渓流の岩の上に出て、激しい吐瀉嘔吐の叫び声をあげた。それは全身に波を打ってくるような苦痛であり、山の尾根までがその咄嗟の吐瀉のあいだ、波を見るそれのように揺れてくるような気がした。

或る日袴野は一人の年古びた媼をつれて、すての容態を見せた。すてはこの媼の顔をみると、人間が次第に古びて行った処で厳しい表情になるものだということを知った。媼はすてを見ると、かんたんに言った。ああ、そうか、そうあろうより外に何もないと呟いた。そしてすてに耳打ちしていった。

「懐妊じゃ。」

「懐妊とは?」

「腹に人間の子がうごいていることをいうのじゃ。」

すては驚きを現すまいとして、媼に声低く訊いた。