Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうかしあかちょこべえ

狂歌師赤猪口兵衛

夢野 久作

Leggi 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.418 caratteri · 79 schermate

Aozora Bunko

まあ私が持って生まれましたカンで御座いましょうナ」

「ふうむ。カンと申すと……」

「たとえば名人のお医者が、小便の色を見て病人の寿命を言い当てるようなもので、私どもは掃溜の色をタッタ一目見ますると、その家の奥の奥の暮し向きまで包み隠しのないところが、ハッキリとわかりまする」

「うむ。なかなかに口広い事を申すのう」

「まったくで御座います。論より証拠、私はあの蔵元屋の台所ならモウ二十年以来の古狃染で御座いますが……毎日お余りを貰いに参りますので……卑しい事を申上るようで御座いますが、蔵元屋の前の御寮さんの時は、それはそれは私どもに親切にして下さいました。祝儀、不祝儀の時の赤の御飯や、蒲鉾や半ペン、お煮付、油揚のようなものを、わざわざ取って置いて下さる。御酒なんぞも、お余りをタンマリと頂戴しましたもので……」

「成る程……」

「ところがそのアトで勝手口の塵埃箱を覗いてみますと、お野菜の切端のような物ばっかりしか御座いません。白い紙の切端、纏まった糸屑、長い元結の端くれさえも見当りませんくらい質素なもので、つまるところ蔵元屋の家内中がキリキリと引締まっておりまする。