Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうかしあかちょこべえ

狂歌師赤猪口兵衛

夢野 久作

Leggi 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.418 caratteri · 79 schermate

Aozora Bunko

水鬢の細髷つつましやかに女のように白い襟足のういういしさ。上下揃いの黒っぽい木綿縞は仕立卸しであろう。前に差し置いた大鉢には血の滴る大鯛が一匹反りかえって、側に御酒代、襟屋半三郎と書いた紙包一封。その前に白い両手の指を律義に並べて半三郎は、さしうつむいている様子……。

その正面に、これも慣れぬ腰付で正坐しているのはベカンコー面の赤猪口兵衛。切込みだらけの鬚と月代を撫でまわしながら相手と同じくらいに痛み入っている様子……。

「イヤハヤもう。今度の御縁談ばっかりは、この赤猪口兵衛が一生涯の遣り損いで御座いました。面目次第も御座いません。肝腎要の御嫁御さんがあのように非業の最後をなさる間もなく、その御両親の蔵元屋の御一家が賭博宿の御疑いで、昨夜のうちに一人残らずお召捕になって、表口と勝手口に青竹の十文字が打付けられようなぞ言う事を、御結納前に見透し得なかったのは一生の大シクジリで御座いました」

「どう仕りまして。決してそのような……」

と口籠りながら半三郎は一層深く頭を下げた。赤猪口兵衛は手を振った。

「イヤイヤ。たしかに私の見込違いで御座いました。黒田藩には、これほどに思い切った荒療治をなさる知恵者がお出でにならぬものと見限っておりましたのが私の不覚……お蔭で襟半と蔵元屋の御両家、千秋万楽と祈り上げておりました私