Classici giapponesi con furigana
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ねこせんせいのべん
猫先生の弁
豊島 与志雄
Leggi 猫先生の弁 (ねこせんせいのべん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3898 caratteri · 8 schermate
猫好きな人は、犬をあまり好かない。犬好きな人は、猫をあまり好かない。多少の例外はあるとしても、だいたいそう言える。猫と犬との性格の違いに由るのであろうか。
戦争前のことであるが、下谷花柳地の外れに、梅ヶ枝という小料理屋があった。出前を主にした店であったが、確かな品を食べさせてくれるので、ひいき客がだいぶあった。特別の連れがある時は二階に通り、さもない時は階下の土間の卓で飲食するのである。その小料理屋で、犬の先生に私はしばしば出逢った。
犬の先生というのは、美術学校の教授であるが、犬好きなところからそういう渾名があり、私の方は猫の先生という渾名である。
「やあ、犬の先生。」
「やあ、猫の先生。」
というようなわけで、酔いが廻ってくると、犬猫の喧嘩だ。
犬の先生――「猫という奴は、どだい、利己主義者で、忘恩の徒で、話にならん。何か物がほしい時には、にゃあにゃあじゃれついて、媚びへつらうが、用が無くなれば、知らん顔をして、そっぽ向いて、呼んでも返事をしない。あんな得手勝手な奴はありません。」
猫の先生――「そこが、猫の自主的精神というものですよ。犬はなんですか。