Classici giapponesi con furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate
いちはやくも自己嫌悪を嘔吐のように催していた。荘重を欠いたが、莫迦ではなかった証拠である……。
思えば今日まで自尊心を傷つけられた数は、ざっと数えて四度あった。
最初はいわずと知れた十九歳の大晦日の夜、鄙にもまれな新手村の小町娘楓をそそのかして、夜のとばりがせめてもに顔の醜さをかくしてくれようと、肩を並べてぬけぬけと氏神詣りに出掛けたが、折柄この夜だけはいかな悪口雑言も御免という悪口祭のかずかずの悪口のうち、蓄膿症をわずらったらしい男が、けれど口拍子おかしく、
「やい、おのれの女房は鷲塚の佐助どんみたいなアバタ面の子をうむがええわい」
とほざいた一句の霜のような冷たい月の明りに照らされ覗かれて、星の数ほどあるアバタの穴をさらけ出してしまった時である。
途端に隠遁をきめこんで、その夜のうちに鳥居峠の山中に洞窟を見つけこの中にアバタ面を隠したが、たまたま山中をよぎった鳥人の思想を説く奇怪な超人、戸沢図書虎よりアバタを隠す調法な忍術を授けられ、やがてこの術を以って真田幸村に仕えて間もなく、上田の城内の歌合せの会に出席して、はからずもその席上かつての小町娘今は奥方の侍女楓を見出した時が自尊心の傷ついた二度目。