Classici giapponesi con furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate
おまけに、自虐か自嘲か、われよりアバタを言い触らすとは、いっそ破れかぶれか……。
「いや、あれもこれも皆このアバタのひけ目の成せる業だ」
と佐助はにわかにしょんぼりして、ふと寂しい心の底を覗きながら、折柄どこからか聴えて来る下手な笛の音を浮かぬ顔でしばらく聴いていたが、やがてその笛の主がどうやら壁をへだてた隣の牢屋にいるらしいと判ると、はや気取りたっぷりの気障な口調の昔取った杵の音をきかせて、
「秋も深し、夜も深し、眠りも深し、笛ふかす、隣は何をする人やら」
と呟いたのち、壁に向って、
「――もし、お隣の仁、折角御清興中を野暮な問い掛けでおそれ入るが、お手前はいったいどこの何人でござるか」
と、声を掛けた。途端に笛の音がやんで、隣から聴え来たのは、
「我こそは信州真田の鬼小姓、笛も吹けば法螺も吹く、吹けば飛ぶよな横紙を、破った数は白妙の、衣を墨に染めかえた、入道姿はかくれもなき、天下の横紙破り三好清海入道だ」
「なアんだ、三好か」
佐助はふき出してしまった。阿呆の一つ覚えの名乗りを、さも得意らしく牢屋の中であげているのもおかしいが、それよりおかしいのは、俺は昨日茶店の女にきいた時、てっきり宝蔵院くずれだと思ったが、三好入道もまた山賊退治に失敗して牢の中に閉じこめられているのか、まず、佐助は自分の名を告げたあと訊ね