Classici giapponesi con furigana
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まちのしんり
町の真理
小川 未明
Leggi 町の真理 (まちのしんり) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3120 caratteri · 7 schermate
せみ
せみ
B坊が、だれかにいじめられて、路の上で泣いていました。
「どうしたの?」と、わけをきくと、こうなのであります。
A坊と、B坊は、いっしょに遊んでいたのです。すると、みんみんぜみが飛んできて、頭の上の枝に止まりました。
二人は、家に走っていって、もち棒を持ってこようとしました。すると、日ごろから、強い、わんぱく子のA坊が、
「これは、僕のせみだから逃がしちゃいけないよ。番をしていておくれ。」と、命ずるように、B坊に向かっていいました。
「清水良雄《しみずよしお》・絵《え》」のキャプション付きの図
清水良雄・絵
気の弱いB坊は、たとえ内心では、それを無理と感じても、だまって、うなずくよりほかはなかったのです。
「どうか、Aちゃんのくるまで、みんみんぜみが、逃げてくれなければいいが……。」と、B坊は、心配していました。なぜなら、もし、せみが、逃げたら、きっとA坊は、自分のせいにすると思ったから。
B坊は、上を向いて、せみを見守りながら、身動きもせず、じっとしていました。せみは、つづけて、ミン、ミン、ミン――と鳴きました。そして、鳴きやむと、思い出したように、遠方を目がけて、飛び去ってしまいました。