Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

きけいのてんにょ

畸形の天女

江戸川 乱歩

Leggi 畸形の天女 (きけいのてんにょ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.893 caratteri · 35 schermate

Aozora Bunko

人通りはごくたまにしかなかった。工場のトタン塀に沿って古い電柱が二、三本、ほうり出してあった。松永はそれに腰かけて、一と休みしていた。

きょうは少し早く出すぎたようだ。うちに帰るまでに、まだ五、六時間ある。何かすばらしいことはないかな。あたりは妙に白っぽく見えた。秋の夕方には、よくこういう白さに出会う。すがすがしいが、物淋しい白さだ。少年時代を思い出させる郷愁の白さだ。

「おじさんは、このへんの人じゃないわね」

びっくりして、ふりむくと、同じ電柱の彼から一間ほどはなれた所に、女学生服を着た少女が腰かけていた。いつのまに来たのか、少しも気づかなかった。なんだか魔性のものでも現われたような感じだった。十五、六かな。まだ中学生だろうと思った。

「ウン、この辺のものじゃないよ。君は近くかい」

「ええ、じきそこに高等学校があるの」

「何年だい」

「二年生」

それにしては子供子供していた。

「おじさんは、遠くの人でしょう。ずっとずっと遠くの人でしょう。あたしたちと、ちがう世界の人でしょう」

松永は、なにかギョッとして少女の顔を眺めた。子供がふしぎな直感力を持つことを知っていたからだ。