Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

Leggi 石狩川 (いしかりがわ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 253.535 caratteri · 506 schermate

Aozora Bunko

結いあげられた黒い髪の毛に、油と精気がにじんでいるのであろう。青い眉の剃りあとがせまるように明瞭りと見えた。

「なんじゃ」と歩きだした阿賀妻は、そこに、身じまいをした自分の妻を発見した。

彼は自分の女をじろじろと見おろした。

「何しにまいった?」

「お召し替えを」と彼女は低く答えた。

小腰をかがめて胸にかかえた風呂敷包みに目をおとすのである。それから側に退いて倉庫の白い骨組みをそっと見やった。それのために羽織袴が入用でありましょう――と、彼女は夫の顔色をうかがうのである。

「よかろう――のう、松岡どの?」

彼は着衣の裄をひっぱって右から左と見まわした。

はっぴ姿の松岡はおうように笑うことが出来た。

「どちらでも――でも、せっかくのこと故、お召しになられた方が」

それを途中で手をふってとどめ、阿賀妻は云うのだ。

「拙者らの建築であったならばのう――じゃが、所詮あれは他人のもの、政府の税庫となるべきもの、ふん、なぜにわれら貧しい請負い人が建前に金をかけねばならんかということよ、が、まアそんなことはどうでもよろしい」と、そのあとを彼は女に向いて云った、「そなたも久しぶりで人間の顔を見るわけじゃ、まもなく餅撒きがはじまりましょう故、縁起を拾うて々に戻るがよい、衣類はこれで上等」