Classici giapponesi con furigana
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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Leggi 石狩川 (いしかりがわ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 253.535 caratteri · 506 schermate
そんな風に気をくばっていた松岡の眼に高倉祐吉は目ざわりになった。が、一言注意すると、相手はきょんと振りかえった。目をまるくした彼は、そこに彼らの棟梁である松岡を見てびっくりした。たちまち紅をちらしたように赤くなった。やっとのことで彼の頭に周囲の様子がうつって来た。そこで彼は何か云わなければならぬと思った。
松岡は手をふってそれを押しとどめた。
「わかれば、よい、よい」
彼は節をつけるように云った。何としても、腹の底からこみあげるような喜びをおさえることは出来なかった。踏んだのか踏まないのか、足の感覚もはっきり感じ取れないこの身体の状態を、これを浮かれているというのであろう。こういう時には見るもの聞くもの、すべて好意に取れるのであった。顔をあからめた少年も、ほほえましい羞恥の姿であると考えた。大人の世界にある秩序を彼はつい失念したのだ。咎めだてるには彼はまだ子供すぎる。また、咎めるほどのことでも無かった。笑って、われから、その子のおどおどした視界を出てやることであった。
彼はうしろ向きになりながら、賑やかな掛け声で云った。
「さア、撤いたり、撤いたり」