Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(四)
吉川 英治
Leggi 私本太平記(四) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 229.324 caratteri · 458 schermate
けれど年も三十と気づいたら、急に矢もたてもなくなりました」
「なにを感じて」
「いまという世に生れたのに、生命の使い道を知らなかったと、世の中を見直したんです。で、真人間の道をさがすべきだと性根を入れかえ、それには兄者人へお詫びしてもらおうと、むかし仲のよかった塩冶殿の一族富士名ノ二郎義綱をたよって行き、しばらく身を寄せておりました」
「む。そして」
「するうちに、その義綱が、隠岐の配所の警固方に命ぜられ、どうだ、貴様も行かないかというすすめです。こっちはどうせ食客の体、否やはありません。すぐ柵守の一員に加わって、共に島へ渡ったという次第。それが去年の夏の初めでした」
「そうだったのか。いやあらまし分った」
「あとは兄者人にも、ご明察がついておりましょう。何となれば、ここ伯耆の大山と、隠岐の配所とでは、海を越えての暗黙なお語らいが疾くより交わされていたはずです。……てまえの帰郷はとつぜんでも、帝のご脱出は、兄者にとって、決して寝耳に水とは思われません」
「いかにも」
長年は大山の相そのものを自己としているような温容だった。
「そのことには、なにも驚きはしておらんよ。