Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Leggi 私本太平記(四) (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 229.324 caratteri · 458 schermate

Aozora Bunko

足達者なものはよい銭稼ぎを与えようぞ、御館の丘へ集まれ、とのこと。

なるほど、籾倉の前には、銭俵が裂いてあった。――そして名和殿の三男基長のさしずの下に「女子供たるを問わず、誰でも、食糧一荷をかついで船上山まで運んでゆく者には、銭一トつかみずつとらせるぞ」という号令だった。

百姓たちは有卦に入ったような昂奮の渦をまもなく蟻のような列に変えてえんえんと山路へつづいた。その中には武者に付き添われた名和殿の奥方や小女房も交じって行ったようではある。――が、たれも山路の喘ぎにかえりみてはいられなかった。――するうちに、はるかな名和殿の丘に炎を見たので、さては何か大事件かと初めて気づき、銭をふところにしながらも、みな胴ぶるいを覚えたという自白なのだった。

「よし、おまえらに科はない」

永観はその者たちを解き放してから、ただちに少ない家の子郎党を一つ庭へよせ集めた。

「ひる、あれほど意見しておいたのに、名和殿は自分の勇を恃んで、分不相応な野心に駆られ去ったとみゆる。……こうなっては早や同族のよしみもない。名和長年は鎌倉どのの反逆人、この永観にとっても敵だ。すぐ出馬の用意をせよ」