Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とっかんきこう

突貫紀行

幸田 露伴

Leggi 突貫紀行 (とっかんきこう) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7819 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

この日岩手富士を見る、また北上川の源に沼宮内より逢う、共に奥州にての名勝なり。

十七日、朝早く起き出でたるに足傷みて立つこと叶わず、心を決して車に乗じて馳せたり。郡山、好地、花巻、黒沢尻、金が崎、水沢、前沢を歴てようやく一ノ関に着す。この日行程二十四里なり。大町なんど相応の賑いなり。

十八日、朝霧いと深し。未明狐禅寺に到り、岩手丸にて北上を下る。両岸景色おもしろし。いわゆる一山飛で一山来るとも云うべき景にて、眼忙しく心ひまなく、句も詩もなきも口惜しく、淀の川下りの弥次よりは遥かに劣れるも、さすがに弥次よりは高き情をもてる故なるべしとは負惜みなり。登米を過ぐる頃、女の児餅をうりに来る。いくらぞと問えば三文と答う。三毛かと問えばはいと云い、三厘かといえばまたはいと云う。なおくどく問えば怫然として、面ふくらかして去る。しばらくして石の巻に着す。それより運河に添うて野蒜に向いぬ。足はまた腫れ上りて、ひとあしごとに剣をふむごとし。苦しさ耐えがたけれど、銭はなくなる道なお遠し、勤という修行、忍と云う観念はこの時の入用なりと、歯を切ってすすむに、やがて草鞋のそこ抜けぬ。