Classici giapponesi con furigana
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かぜのまたさぶろう
童話集 風の又三郎
Leggi 童話集 風の又三郎 (かぜのまたさぶろう) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.657 caratteri · 113 schermate
」一郎が言いました。
「うん。」嘉助も言ってそこらを見まわしました。
一郎はそこで鉄棒の下へ行って、じゃみ上がりというやり方で、無理やりに鉄棒の上にのぼり両腕をだんだん寄せて右の腕木に行くと、そこへ腰掛けてきのう三郎の行ったほうをじっと見おろして待っていました。谷川はそっちのほうへきらきら光ってながれて行き、その下の山の上のほうでは風も吹いているらしく、ときどき萱が白く波立っていました。
嘉助もやっぱりその柱の下でじっとそっちを見て待っていました。ところが二人はそんなに長く待つこともありませんでした。それは突然三郎がその下手のみちから灰いろの鞄を右手にかかえて走るようにして出て来たのです。
「来たぞ。」と一郎が思わず下にいる嘉助へ叫ぼうとしていますと、早くも三郎はどてをぐるっとまわって、どんどん正門をはいって来ると、
「お早う。」とはっきり言いました。みんなはいっしょにそっちをふり向きましたが、一人も返事をしたものがありませんでした。
それは返事をしないのではなくて、みんなは先生にはいつでも「お早うございます。」というように習っていたのですが、お互いに「お早う。