Classici giapponesi con furigana
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かぜのまたさぶろう
童話集 風の又三郎
Leggi 童話集 風の又三郎 (かぜのまたさぶろう) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.657 caratteri · 113 schermate
日の光がさっと流れてはいりました。その太陽は、少し西のほうに寄ってかかり、幾片かの蝋のような霧が、逃げおくれてしかたなしに光りました。
草からはしずくがきらきら落ち、すべての葉も茎も花も、ことしの終わりの日の光を吸っています。
はるかな西の碧い野原は、今泣きやんだようにまぶしく笑い、向こうの栗の木は青い後光を放ちました。
みんなはもう疲れて一郎をさきに野原をおりました。わき水のところで三郎はやっぱりだまって、きっと口を結んだままみんなに別れて、じぶんだけおとうさんの小屋のほうへ帰って行きました。
帰りながら嘉助が言いました。
「あいづやっぱり風の神だぞ。風の神の子っ子だぞ。あそごさ二人して巣食ってるんだぞ。」
「そだないよ。」一郎が高く言いました。
次の日は朝のうちは雨でしたが、二時間目からだんだん明るくなって三時間目の終わりの十分休みにはとうとうすっかりやみ、あちこちに削ったような青ぞらもできて、その下をまっ白なうろこ雲がどんどん東へ走り、山の萱からも栗の木からも残りの雲が湯げのように立ちました。
「下がったら葡萄蔓とりに行がないが。」耕助が嘉助にそっと言いました。