Classici giapponesi con furigana
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かさおりはんくろう
笠折半九郎
山本 周五郎
Leggi 笠折半九郎 (かさおりはんくろう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.004 caratteri · 26 schermate
……小次郎まいれ」
振返って叫ぶと、小松原の中から畔田小次郎が走り出て来た。そして半九郎の傍へ並んで平伏した。
「その方共は自儘に果合いをしようとした。軽からぬ罪だ、両人とも五十日の閉門を申付ける、ただし小次郎も半九郎の家で、一緒に謹慎して居れ、離れることならんぞ」
頼宣はそう云って去って行った。右手の拳を揉みながら、
「恐ろしく固い頭だ」
と呟くのが聞えた。
二人は平伏したまま泣いていた。
川霧はようやく消えて、雲を割った太陽が眩しいほどの光を、鼠ヶ島の上へさんさんと射かけて来た。……小松原の中に控えていた近習番たちを連れて、頼宣が遠く去ってしまってからも、彼等はそのまま泣いていた。
「小次郎、……己たちは仕合せ者だな」
半九郎が泣きながら云った。
「そうだ、これほどの御主君に仕えることの出来るのは、武士と生れての此上もない果報だ」
「己は自分の心の狭さが熟く分った、勘弁して呉れ小次郎、瑞枝を娶ったら、己は琴を弾かせて心の修業をするぞ、琴を聴いて、本当に心が曠くなるものならば、己は、本当に瑞枝の琴を聴くぞ」
「そう思えばそれで宜いんだ、琴なんか問題じゃない、我々はいまもっとすばらしい修業をしたんだ」