Classici giapponesi con furigana
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だいにこんにゃくぼん
第二菎蒻本
泉 鏡花
Leggi 第二菎蒻本 (だいにこんにゃくぼん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.739 caratteri · 32 schermate
「ああ、座蒲団はこっち。」
と云う、背中に当てて寝ていたのを、ずらして取ろうとしたのを見て、
「敷いておいで、そっちへ行こう、半分ずつ、」
と俊吉はじめて笑った。……
お染は、上野の停車場から。――深川の親の内へも行かずに――じかづけに車でここへ来たのだと云う。……神楽坂は引上げたが、見る間に深くなる雪に、もう郵便局の急な勾配で呼吸ついて、我慢にも動いてくれない。仕方なしに、あれから路の無い雪を分けて、矢来の中をそっちこっち、窓明りさえ見れば気兼をしいしい、一時ばかり尋ね廻った。持ってた洋傘も雪に折れたから途中で落したと云う。それは洲崎を出る時に買ったままの。憑きもののようだ、と寂しく笑った。
俊吉は、卍の中を雪に漾う、黒髪のみだれを思った。
女中が、何よりか、と火を入れて炬燵に導いてから、出先へ迎いに出たあとで、冷いとだけ思った袖も裙も衣類が濡れたから不気味で脱いだ、そして蒲団の下へ掛けたと云う。
「何より不気味だね、衣類の濡れるのは。……私、聞いても悚然する。……済まなかった。お染さん。」
女はそこで怨んだ。
帰る途すがらも、真実の涙を流した言訳を聞いて、暖い炬燵の膚のぬくもりに、とけた雪は、斉しく女の瞳に宿った。