Classici giapponesi con furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 226.715 caratteri · 431 schermate
「何で雪子ちゃんはそない云うねん」
「雪子ちゃんは啓坊の同情者ですよってにな、まあ大目に見て置いたら、云う考でっしゃろう」
「同情も事に依りけりや。そんなことして、それが雪子ちゃん自身の縁談にもどれぐらい邪魔するか知れへんやないか」
夫はひどく不機嫌な顔つきで云ったが、それきり黙り込んでしまったので、幸子には夫が何を考えているものとも分らなかった。が、十月の中旬に、夫が又二三日上京したことがあったので、
「あんた、渋谷へ寄って来なさった?」
と、尋ねると、
「うん、あの話、姉ちゃんに云うといたで」
と、夫は云った。でも、姉ちゃんはよく考えて置きますと云っただけで、さしあたり何の意見も云わなかった、と云うことなので、幸子もそれ以上そのことに触れないようにしていたが、その月の終り頃になって、思いがけなくも姉から次のような手紙が届いた。―――
拝啓
先月は大勢で御厄介になりその上久振に播半で結構なおもてなしにあずかり、故郷のよさをしみじみ味わうことが出来て嬉しゅうございました。帰ってから毎日忙しくてお礼状も上げないでいましたが、今日は又心ならずもいやな手紙を書かなければなりません。