Classici giapponesi con furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 226.715 caratteri · 431 schermate
………
「何でやろ、この耳、………」
「けったいなわ、………」
二人は暫く鼓の音と猫の耳の運動とを物珍しそうに眺めていた。そして、謡曲が終ってから妙子はラジオを切りに立ったが、
「注射どうなん? 少しは利き目あるらしいのん?」
と、席に復ると話を戻した。
「さあ、………ああ云うもんは根気よう続けんことにはな」
「何回ぐらいしたらええのん」
「何回したら利く云うことははっきり云われん、まあ気長にやって見るこッてすな、云われてるねん」
「やっぱり結婚する迄は直らんのんと違うか知らん」
「直らんこともないように、櫛田さんは云うてはるねんけど、………」
「注射であれが拭き取ったように綺麗に除れる云うことはないやろ思うわ」
そう云って妙子は、
「そう云えばカタリナが結婚したよ」
と云った。
「ふうん、こいさんに手紙が来たん?」
「昨日元町でキリレンコに会うたら、妙子さん妙子さん云うて追いかけて来て、カタリナ結婚しましたよ、二三日前に便りがありました、云うねん」
「誰と結婚したん」
「自分が秘書をしていた保険会社の社長やて」
「とうとう掴まえたのんかいな」
「キリレンコの所へ来た手紙には社長の家の写真が封入してあって、私等は今此処に住んでる、お母さんも兄さんも私の夫が引き取って世話したげる云うてるよって、早う英国へやって来なさい、旅費はいつでも送ったげる