Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 226.715 caratteri · 431 schermate

Aozora Bunko

五分か十分で済むものと思っていると、なかなか動き出さず、そのうちに後の列車が来て停る。その列車からも従業員が降りて来て覗いたり、能登川の駅の方へ駈けて行ったりしている。………

「どうしたんやろう、お母ちゃん」

「どうしたんやろう。………」

「何か轢いたんと違うか知らん」

「そんな様子もないようやないか」

「早う動いたらええのんに」

「間が抜けた汽車やわ、こんな所で停るなんて、………」

幸子はさっき汽車が停った時、何よりも先ず、人が轢かれた、―――と思ってはっとしたのであったが、でもまあ、好い塩梅に、そんな縁起の悪いことではなかったけれども、………しかし片田舎の支線とか、私設線ででもあることか、こう云う主要な幹線の線路上で、汽車がこんなにも長く、三十分以上もの間原因不明の立ち往生をするなんて、よくあることなのかも知れないが、余り旅行の経験のない彼女には、何だか不思議な出来事であった。それも、誰の眼にも明かな事故の発生がなしに、だんだんに徐行し始めて、最後に、ひとりでに、どかんと停ってしまったのが、いかにも恍けたような、滑稽な感じで、恰も汽車が今日の見合いを交ぜっ返してでもいるような、………それと云うのが、いつもいつも、雪子の縁談とか見合いの日とか云うと、不吉なことや変ったことに打つかる例が多いので、今度も実は何事もなけれ