Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.580 caratteri · 287 schermate

Aozora Bunko

と云うところが、「ざあます」とも違う一種不思議な云い方で、幸子は自分には真似も出来ないが、こう云う癖を取るのが上手な妙子に聞かせたらと思うと、ひとり可笑しくてたまらなかった。

「それでは何処ぞ、旅行でもなすっていらっしゃいましたの」

「暫く入院しておりまして」

「まあ、何の御病気?」

「神経衰弱のひどいのでして」

「相良さんのは贅沢病なのよ」

と、下妻夫人が引き取って云った。

「でも、聖路加病院ならいつ迄入院していらしったっていいでしょう」

「海が近いから涼しくって、殊にこれからが彼処はいいのよ。でも中央市場が近いもんだから、時々生臭い風が吹くの。それに本願寺の鐘が耳について。―――」

「本願寺はああ云う建物になりましても、やっぱり鐘を鳴らすのでございましょうか」

「はあ、そうであんすの」

「何だかサイレンでも鳴らしそうだわね」

「それから教会の鐘も鳴るのよ」

「ああ」

と、下妻夫人は急に溜息をつきながら、

「あたし、聖路加病院の看護婦になろうかしら。ねえ、どうでしょう」

「それもいいかも知れないわね」

と、丹生夫人は軽く受け流したが、幸子は下妻夫人が、家庭的に面白くないことがあるような噂を聞いていたので、今の言葉には意味深重なものがあるらしく感じた。