Classici giapponesi con furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.580 caratteri · 287 schermate
悦子が子供に似合わず寝つきが悪く、寝入る前に二三十分興奮しておしゃべりをする癖があることは前に書いたが、女中達だとこの二三十分間の相手が勤まらず、いつも悦子より先に眠ってしまうのが、彼女を苛立たせる原因であるらしく、苛立てば苛立つほど尚寝られなくなって、夜中に荒々しく廊下を駈けて来て、両親の寝室の襖をばたッと開けて、
「お母ちゃん、悦子ちょっとも寝られへんねん」
と、怒鳴り込みながら泣き出したり、
「お春どん癪やわ。グウグウ鼾かいて寝てるねん。嫌い! 大嫌い! 悦子お春どん殺してやるわ!」
と云ったりした。
「悦ちゃん、そないに興奮したら却って寝られへんねんで。無理に寝よう寝よう思わんと、寝られなんだら寝られんでも構めへん、思うて御覧」
「そうかて、今寝とかなんだら朝方しんどうて起きられへんねん。………又学校遅刻してしまうやないの。………」
「何やねん、そんな声出して! 静かにしなさい!」
と、幸子は叱りつけて、寝台へ一緒に這入ってやって寝かしつけるようにしたが、矢張どうしても寝つかないで「寝られへん寝られへん」と訴えては泣き出すので、幸子も癇が立って来て、つい又叱りつける。