Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 150.580 caratteri · 287 schermate

Aozora Bunko

なあ村上君」

「ええ、商売が鉄屋ですからな」

「あははははは、―――いや、わたくし、それで思い出しましたが、一度御婦人方に伺ってみようと存じておりましたのは、あの、皆さんが持っておいでになるコムパクトと云うものですな、―――あの中に這入っております粉は、ただのお白粉でございましょうか」

「はあ、ただのお白粉なんですけれど、―――」

と、井谷が受けて、

「それがどうか致しまして」

「実は何ですよ、一週間程前のことですが、或る日わたくしが阪急電車に乗りますと、風上の方の隣の席に盛装を凝らした御婦人が掛けておられましてな、ハンドバッグからコムパクトを出して、こう―――鼻のあたまをパタパタ叩き始めたと思ったら、途端にわたくし、続けざまに二つ三つ嚏が出ましたんですが、そんなことッてございますもんでしょうか」

「あははははは、それはその時、五十嵐さんの鼻がどうかしていらしったんじゃないでしょうか。コムパクトのせいかどうか分りませんわ」

「とまあ、わたくしも一度ならそう思うところでございますが、前にもそう云う経験がございまして、その時が二度目なんでして」

「ああ、それほんとうでございます」