Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みどりのめ

緑の芽

佐左木 俊郎

Leggi 緑の芽 (みどりのめ) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4815 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

「菊枝! 台所が済んだら、ちょっとここさ来うまず。」

菊枝は台所からおどおどしながら出てきて、窮屈な雪袴の膝を板の間に折った。

父親は、掌でぽんぼんと煙草の吸い殻を落として、眤っと、項垂れた菊枝の顔を凝視めた。

「菊枝! 貴様は、年も行かねえのに、いろいろど気がついて働いでくれで、仲々感心な奴だと思っていだら、もっての外の考えをもっていんなや?」

菊枝は、黙々として項垂れ続けた。祖父は幾分後悔の気持ちで刻み煙草を燻らし続けていたし、祖母はかばってやらねばならぬ折を、おどおどしながら待っていた。

「今までは本当に、全く感心な奴だと思っていたのに……今からは、そんなごってはなんねだでや。この通り、俺家ど言うもの、稼ぐ者ってば、俺とお前ばかりだべ。母は母で病身だし、他は、年寄りわらしばんだ。――そして、貴様になど、どんなことあったって、受かりこなどねえんだ。毎日それにばり一年もぶっ続け勉強した、かしゅくさんせえ、落第したんだもの。」

「百姓の子は……」祖父が突然口を入れた。「みっしり百姓のごとを習って、いいどこさ嫁に行けば、それでいいんだ。学で飯を食うべと思わねえで……」