Classici giapponesi con furigana
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ぶんがくずきのかていから
羅生門・鼻・芋粥
Leggi 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.240 caratteri · 69 schermate
槍が岳に登った記
赤沢
雑木の暗い林を出ると案内者がここが赤沢ですと言った。暑さと疲れとで目のくらみかかった自分は今まで下ばかり見て歩いていた。じめじめした苔の間に鷺草のような小さな紫の花がさいていたのは知っている。熊笹の折りかさなった中に兎の糞の白くころがっていたのは知っている。けれどもいったい林の中を通ってるんだか、やぶの中をくぐっているんだかはさっぱり見当がつかなかった。ただむやみに、岩だらけの路を登って来たのを知っているばかりである。それが「ここが赤沢です」と言う声を聞くと同時にやれやれ助かったという気になった。そうして首を上げて、今まで自分たちの通っていたのが、しげった雑木の林だったということを意識した。安心すると急に四方のながめが眼にはいるようになる。目の前には高い山がそびえている。高い山といっても平凡な、高い山ではない。山膚は白っちゃけた灰色である。その灰色に縦横の皺があって、くぼんだ所は鼠色の影をひいている。つき出た所ははげしい真夏の日の光で雪がのこっているのかと思われるほど白く輝いて見える。山の八分がこのあらい灰色の岩であとは黒ずんだ緑でまだらにつつまれている。