Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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びしょうねん

美少年

岡本 かの子

Leggi 美少年 (びしょうねん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.417 caratteri · 27 schermate

Aozora Bunko

それにしてもこんな蔑まれるさまを人目に晒して平気な少年には、何か感情に不具なところがあるのではあるまいか。

少年はわたしを引いて歩き出しながら

「ほんとに、今夜は一しょに交際っておくれよ。ほんとに今夜こそ、僕は君に聴いて貰い度いことがあるんだよ。とく子」

といったが、わたしは彼が力を籠めていうそのほんとという言葉を信用しない。それと見て取った少年は、あらためて、わたしの手を握り替え

「よう、ね」と力を入れた。

少年の掌はにちゃにちゃ滑っていて、蛞蝓のような触覚がある。気持が悪い。わたしは嘗て少年がわたしの病室で暑さに肌を脱いだとき、彼の顔の鮮かなのに似合わず胸や背中に地図のような斑点が淡く浸み出している気味悪さをさえ想い出し、ぷるぷると身慄いした。病院の看護婦の話では、それはこどもの時から飲みつけた酒毒の現れだそうである。

縁日の夜店は刳りもの工場の煉瓦塀の前から始っていた。そこに乏しい荷を置いた金魚やからだんだん豊富な荷を置いた金魚やまで五六口、店を開いていた。早く寝かしつけるためであろう、もう縁日を一まわりして来て、買って宛がったみやげの紙燈籠を大事そうに肩から差出している子供を背負った男親や、手をひいた子供連れの客が少しばかりその前に引っかかっていた。