Classici giapponesi con furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate
使者を迎えた秀次の方では、太閤の命に従うべきか否かについて進退に迷い、重臣白井備後守、木村常陸介、熊谷大膳亮の三人を一と間へ呼び入れて凝議したが、意見がまち/\で容易に決しかねていた。備後が云うには、今此の城をお開きなさるのは、中々勿体のうござります、某按ずるに、我等三人のうち一人を伏見へ遣わされ、一往理をお盡しなされては如何、もしその上にも御承引なく、討手が向って来るようであったら、我々真っ先に討って出て花々しき合戦をなし、叶わぬ時節到来せば、その時お腹を召され給うとも何の仔細か候べきと云う。熊谷大膳は、備後守申さるゝ処も一理はあると存じますが、退いて愚案を廻らすに、此の城に於いて一戦を励まし、御腹を召されんずる事、王城の地を穢す恐れが第一、次に太閤殿下より譲られ給うた城にお籠りなされては、天道の悪む所となるのが第二、次に昨日までも六十餘州に関白と仰がれ給うた御身が、今更おろ/\と籠城に及び給わん事、日本中の諸侍が言う甲斐なく思うのが第三、彼れ此れ世間の誹が多いと存じますから、先ず父子の礼を執って一旦帝都を退き給い、讒者の実否を糺されるのが順序ではござりますまいか、それには今宵志賀の山越えに東坂本へ移らせ給え、しかしそれでもお疑いが晴れず、討手を向けられた場合には、唐崎表へ討って出で合戦に及ばんこと、