Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ききがきしょう

聞書抄

谷崎 潤一郎

Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate

Aozora Bunko

呼び出して僉議に及んだ。然るに訴人は水野新八郎と云い、最近まで吉長の家中に仕えていた郎党であったが、或る事情から暇を出されてしまったので、それを遺恨に思ったのであろうか、舊主左京大夫殿も関白殿と一味でござりますと、分明な證拠書類を添えてお上へ訴え出たのである。その書類には紛れもない吉長の判が捺してあるので、本人の前に突き付けて訊問すると、いかにも此れは某の判でござりますが、しかし此の判は一年以前に改印仕り、今は使っておりませぬと云う。因って吉長から諸大名へ遣わした證書の類を数多取り寄せて、使用してある印判を調べてみると、全く彼の云う通りに違いないので、嫌疑は直ちに晴れたのであったが、新八郎は虚偽の申立てをなし、剰え謀判の罪を犯したことが明白になり、身柄を吉長に下げ渡されて即時に首を刎ねられた。次に六角右兵衛督義郷も、一時危いところであった。それはどう云う訳かと云うと、義郷の家臣に、近江の国信楽の住人多羅尾道賀と云う者がある。最初義郷は、此の道賀の娘を自分の妻にしていたところが、たぐいない美女であることが秀次の耳へ這入ったゝめに、後に聚楽へ献上しなければならなくなった。