Classici giapponesi con furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate
お尋ねに、病気のことを申し上げると、それなら薬師をつかわすから療治をするがよいと云う仰せがあって、間もなく宿へ薬師が参りましたので、起き直って、烏帽子直垂をつけて対面しましたところが、ちょっと脈を取ってみて、どうもおかしい、別に病気があるようでもない、何か人を恨んでゞもおられるか、又は大事な訴訟でも持っておられはしないかと云うのです。私はさあらぬ体を装って、子供の時からこんな工合におり/\患うことがありますが、半月も養生すればいつも直ってしまいますから、今度も日数を待っておりましょう、何も大事なことなんぞ思ってはいませんと云いましたけれども、薬師は御前へ出て、あれは病気とは覚えませぬ、身に大事を持っている人か、さもなかったら、昔ならまあ恋とでも云うわずらいでございましょうと申し上げたと見えるのです。すると、恋なら今の世にだってないことはあるまい、糟屋の胸のうちを探り出したいものだと云う将軍の仰せに、それなら佐々木三郎左衛門が一番親しくしておりますから、あれをおつかわしになりましたらと申し上げる者があったりしまして、やがてその佐々木が御前へ召されて仰せを受け、見舞いにやって来ましたが、わたしの寝ている