Classici giapponesi con furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate
年頃の女房の身として邪見の剣にかゝられるとは。その時の私の心の中をどうぞ思いやって下さい。どんな鬼神が向って来ようと、又は五百騎三百騎の敵陣の中へ割って這入ろうと、思うがまゝの働きをして捨てる命なら、露ほども惜しくはないと覚悟していた私ですけれども、知らない間に起ったことではどうにも力が及びませなんだ。そう云う訳で、その夜のうちに髻を切って僧となりましたが、それから此の御山に最早や二十年のとしつきと云うもの、其の女房の菩提を弔っているのです。
―――そう語り終ったその僧は、はんかい入道と呼ばれている半出家であったが、一座がしばらく今の話にしんと静まり返っていたとき、やがて又一人の僧が前の方へにじり出た。見ると年は五十ぐらいで、身の丈は六尺もあろうか、のどの骨が突び出し、おとがいが反り、頬が高く、唇が厚く、目鼻がすごく、顔の色が黒く、いかさま逞しそうな体つきで、次には私が話しましょうと云いながら、破れた布衣の袂のかげで大きな数珠をつまぐっているので、さあ、では早速に願いましょうと皆が促すと、不思議なこともあればあるものです、その上※(「藹」