Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ききがきしょう

聞書抄

谷崎 潤一郎

Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate

Aozora Bunko

のですかと、一所になって声も惜しまず泣くのです。暫くたってから私は、尉どのよ、此れから後もきっと見放さないようになさいよ、どんなに父御や母御が草葉の蔭でうれしく思っていらっしゃるか知れない、いずれは尉殿の子息に報いて来て、末は必ずめでたいことがあるに違いありませぬ、かえす/″\もそのおさない人達をいとおしんで上げたら、佛神三宝も尉殿をお守りになるでしょう、ではもう日も暮れますから、これでお暇しますと云って、立って行きますと、はる/″\と送って来て、ねんごろに語りつゞけたりしまして、何につけても泣いてばかりいますので、私も涙をせきあえずに、尉どのよ、もうよいほどに帰って下さいと申したら、よう/\戻って行くのでした。それから少し歩いてみますと、成る程とある松の木の下に人を荼毘した所がありますので、じっとこらえて一旦は通り過ぎましたものゝ、又心を返して思いますのに、発心をして家を出た時こそ妻子を振り捨てゝ行ったけれども、今は死んでから三日にあたっている、その荼毘所を見ながら行き過ぎてしまうと云うのは無道ではないか、知らなければ仕方がないが、たま/\法師の身となって通りかゝったのに、陀羅尼の一遍も回向しない