Classici giapponesi con furigana
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
Leggi 聞書抄 (ききがきしょう) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 108.821 caratteri · 210 schermate
それからはる/″\と逃げて来まして、とある木の下に休みながら考えましたのは、座禅をしても悟を開くのはなか/\むずかしい、所詮高野山は弘法大師の入定なされた所だし、諸佛群集の霊地だから、あの御山に勝る所は此の世にあるまい、これはあの御山へ上るに限る、そして奥の院のほとりにでも柴の庵を結んで一大事の修行をしようと、そう思案を定めまして、その心をたよりに此の御山へ参りましたが、そのゝちは更に他念がなく、我をも知らず、人をも知らず、まして故郷の事をも知らず、寝ても覚めても念佛三まいに月日を送っていましたので、あなたがたにお目にかゝるのも今日が始めてのような訳なのです。そう云えば今年の春のころ、河内の国から此の御山へ参った人がうわさをするのを聞きましたら、子供たちの身の上を楠が知って不便に思い、あの時六つになっていました男の子を取り立てゝ、篠崎の跡を継がせるそうです。姉の方は比丘尼になったと申しますから、これも心安うございます。
―――二人の僧は此の話を聞いて、まことに有難い御発心です、殊勝に存じますと云って貰い泣きをしたが、互に法名を名のり合って見ると、今の僧は玄梅と云い、樊※(「口+會」