Classici giapponesi con furigana
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かんぞうせんせい
肝臓先生
Leggi 肝臓先生 (かんぞうせんせい) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.194 caratteri · 46 schermate
どうやら、君の歩く足が、とみに生気を失ったようだが」
と、彼は私を慰めて、
「せっかく意気ごんで来てくれたのに、夢の一日は煙と消えて、こんなことを頼むのは恐縮だが、君にひとつ尽力してもらいたいことがある」
「なんだい」
「詩をつくってもらいたい」
私は返事の代りにふきだしてしまった。生れて以来、一度や二度は詩をつくったことがないでもないが、散文を書きなれた私には、圧縮された微妙な語感はすでに無縁で、語にとらわれると、物自体を失う。物自体に即することが散文の本質で、語に焦点をおくことを本質的に嫌わねばならないのである。
私がふきだしたのを見て、友人は気分を損ねたようである。
「まア、いゝさ。今に、わかるだろうよ」
森の魔女が咒いをかけるような穏やかならぬ文句をのべたてて、
「君に見せたいものがある」
彼は私をアトリエへ案内した。アトリエのマンナカに、なんとも異様な大きな石が、ツヤツヤみがきこんである。
「君に見てもらいたいのは、この石像だが」
「石像?」
「ウン」
「この石でつくるのかい」
「これが完成した石像なんだよ」
と、彼は私をあわれみの目で見すくめた。
詩の仇を石でうつとは不届き千万な。