Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

「そうですか」

「原田に、なんか、相談したいことがあって、寄るつもりじゃったばって、あんたが先に行っとるらしいけん、日を変えて、また、といいなさって、帰らしゃった」

「わたしがここに来とること、母は知っていましたか」

「「猫婆さん」とこで、聞きなさったとかで……」

その言葉に、勝則は、ぎくッとした。

(光丸と、母は、逢いはしなかったろうか? 「猫婆さん」が、なにか、母に話しはしなかったろうか?)

脱れられぬ最後の場に、すこしずつ、じりじりと、運命の環がちぢまって行く。勝則の胸奥には、すでに、はっきりとした一つの決意は出来ていたとしても、このことの成就の困難さが、言語に絶するものであることも、彼にはよくわかっていた。

「失礼いたしました」

礼を述べて、原田邸を辞した。

小降りになった雨の中を、傘なしで歩きながら、

(原田さんへの母の用件も、このことだ)

それを考えて、胸が痛かった。

虚実

視察旅行に上京していた市会議員一行は、無事、帰若した。

待ちかまえていた原田雲井は、ただちに、玉井金五郎に談判した。しかし、原田の弁舌と熱心も、堅い金五郎の鉄壁から、にべもなく、弾ねかえされた。